藤枝、焼津、そして近隣の市は、毎年たくさんの中高生を海外へ送り出しています。藤枝国際交流協会(FIFS)はオーストラリアのペンリスへ、焼津・ホバート友好協会はホバートへ。ほかの静岡の市も、ハワイやオレゴン、カリフォルニアへ生徒を派遣しています。こうしたプログラムは、航空券もホストファミリーも手配してくれます。でも、英語の準備だけは、たいてい各家庭に任されたままです。

このすき間から、つまずきが始まります。しかも、多くのご家庭が思っているのとは違うところでつまずくのです。この記事では、現地で本当に困るのはどこか、そして出発前に藤枝の教室でどう備えるかを、実際の指導からお話しします。

現地で固まるのは、成績が一番低い生徒さんではありません

私はこうした渡航の準備を何年も手伝ってきました。いちばん最近では、バンクーバーへ向かう生徒さんと、ホバートへ向かう生徒さんです。それ以前も、ほかの教室で長年ホームステイ準備のクラスを担当してきました。そこで毎回、同じことに気づきます。

海外で固まってしまうのは、文法がいちばん苦手な生徒さんではありません。実際の場面で、声に出して言ったことがない生徒さんです。英検の級を持っていても、最初の三晩、夕食の席でただうなずいているだけ、ということが起こります。到着して、お土産を渡して、会話を始める。その場面を、どの授業でも練習してこなかったからです。自信は、テストの点数ではなく、繰り返しの練習から生まれます。

静岡の生徒さんが、特につまずきやすいところをお話しします。

初日の夕食が、旅でいちばんの山場です

到着した日の夜は、生徒さんがいちばん不安に感じる場面で、いちばん準備していない場面でもあります。ホストファミリーはやさしくて、料理はもう並んでいる。でも、どう切り出せばいいのか分からない。直し方はシンプルですが、練習が欠かせません。あたたかいあいさつ、日本からのお土産を渡すひとこと(「This is for you — it’s from Japan.」)、そして分からないときの正直なひとことを、いくつか。この場面を、怖くなくなるまで生徒さんと一緒に繰り返します。

「わかりませんでした」と言えるかどうか

ホームステイで生徒さんがいちばん助けられるのは、考えなくても口から出てくる聞き返しのひとことです。「Sorry, could you say that again?」「Could you speak a little slower, please?」。これが言える生徒さんは、会話の中にとどまれます。言えない生徒さんは、にっこり笑ってうなずいて、そっと引いてしまいがちです。ほかのすべてがこのひとことの上に成り立つので、私は最初の授業から練習します。

ふつうのことを「いいですか?」と聞けるか

シャワーを使ってもいいですか。洗濯機は使ってもいいですか。タオルはどこにありますか。ささいなことに聞こえますが、これが聞けないと、よその家で何週間も心細い思いをします。ていねいに許可をたずねるひとことをいくつか覚えておくだけで、毎日の小さなストレスが消えます。

食事:アレルギーと、おかわり

食事の場面では、二つのことが大切です。一つは安全に関わること。「I’m allergic to nuts — is that in this?」とはっきり言えること。もう一つはあたたかさに関わること。食事のお礼を伝え、すすめられたものを受けるか、断るか、もう少しお願いするかを、遠慮して食べ過ぎることも、お腹をすかせることもなく伝えられること。どちらもすぐに身につき、食卓で練習しやすいことです。

ホバートとバンクーバー、町ごとに移動手段が違う

交通機関こそ、ありきたりの「留学アドバイス」が通用しなくなるところです。答えが、行き先によってまったく変わるからです。ホバートへ行く生徒さんは、町がバスと家族の送り迎えで動いていることを知っておく必要があります。ホバートには今、旅客列車も路面電車もありません。地下鉄の単語を覚えても役に立たないのです。バンクーバーへ行く生徒さんなら、TransLinkとCompass Cardという、また別の仕組みになります。行き先に合っていない準備では、生徒さんはバス停で立ち往生してしまいます。

緊急番号と言い回し:オーストラリアは000、北米は911

どの生徒さんも、現地の緊急番号を覚えてから日本を出るべきです。オーストラリアは 000、カナダとアメリカは 911。そして「I don’t feel well.」「I think I’m lost. Can you help me?」を、ためらわずに言えるように。これは単語ではなく、反射です。出発前に自然と口から出るようにしておくもので、その場で調べるものではありません。

藤枝での準備のしかた

私のホームステイ準備は、出発日から逆算して組み立て、行き先の町に合わせて作ります。授業のほとんどは、こうした実際の場面を演じることに使います。到着、夕食、許可のお願い、道に迷ったとき。座って聞いているだけの時間ではありません。最後の授業では、生徒さんが私の助けなしに一連の流れをやり通します。藤枝でできれば、ホバートでもバンクーバーでもできます。

レッスンの合間には、生徒さんは行き先の町を舞台にした挿絵つきの物語も読みます。ホバート、バンクーバー、ペンリスなど、実際に向かう町が舞台です。授業で練習したフレーズが物語の場面の中でもう一度出てくるので、出発前に自然と身につきます。

お子さんが市の交換留学プログラムに選ばれて、まだ話すことに自信がない。そのすき間こそ、この準備で埋めるものです。コースの全体像はホームステイ準備集中コースのページでご覧いただけます。

交換留学のご家庭からよくいただく質問

子どもが市の交換留学プログラムに選ばれましたが、英語に自信がありません。何から始めればいいですか? 文法の勉強を増やすことよりも、実際に出会う場面、つまり到着、食事、助けの求め方から始めます。いちばん簡単な第一歩は無料相談です。行き先、出発日、今の英語のレベルをお聞きして、短期のホームステイ準備が合っているかを一緒に考えます。

出発のどれくらい前に始めればいいですか? 4週間から8週間前が理想です。8週間あれば週1回でゆとりがあり、4週間なら週2回。出発日から逆算して組むので、必ず間に合うように終わります。

行き先の国によって違いますか? はい、ご家庭が思っている以上に違います。交通機関、緊急番号、食卓のマナー、人の話し方の直接さまで、国によって変わります。行き先が決まったら、授業をその町に合わせて調整します。

ご家庭で今年の交換留学やホームステイを控えていらっしゃるなら、無料相談を予約してください。出発日に合わせて一緒に計画を立てます。同じプログラムに参加する生徒さん同士なら、一緒に準備することもできます。お一人あたりの料金が下がり、ロールプレイもより本番に近くなります。