ライトナーボックスの作り方:フラッシュカードを自動管理する「紙のコンピュータ」
ライトナーボックスは「紙のコンピュータプログラム」です。大げさに聞こえるかもしれませんが、これが一番正確な表現。カードボックスの中に8枚の仕切りを入れるだけで、どのカードをいつ復習すべきか、自動的に教えてくれる仕組みができあがります。電池もサブスクも通知もなし。段ボールがAnkiと同じ仕事をしてくれます。しかも、手で書いて、絵を描いて、実際にカードを触る。この「工作」のプロセスが、画面をタップするより深く記憶に残ると感じる学習者は多い。
仕組みはシンプル:よく覚えているカードは復習の頻度が下がり、苦手なカードは何度も戻ってくる。すべてのカードはレベル1からスタートして、7つのレベルを勝ち抜かないと長期記憶に入れません。途中で忘れたら、どんなに高いレベルにいても、レベル1に逆戻り。
効果的なフラッシュカードの作り方はもう読みましたか? あの記事はカードの「作り方」。この記事はもう片方——カードを「正しいタイミングで復習する」ためのシステムです。
この記事の内容: 箱と単語カードだけで作る、アプリ不要の間隔反復システム「ライトナーボックス」。10分で作れて、一生使える復習の仕組みです。
目次
必要なもの

- 大きめのカードファイルボックス。 数百枚入るサイズ。大きいほうがいい——思ったより早くいっぱいになります。
- インデックスカード。 たくさん。最初は数百枚、最終的には数千枚必要になります。
- 仕切り8枚。 レベルを分けるためのもの。タブ付き仕切りを買うか、厚紙で自作できます。
- ペンか鉛筆。
- 書き込めるカレンダー。 紙でもスマホでも、毎朝チェックするものなら何でもOK。
藤枝の100円ショップか文房具屋で全部揃います。数百円で始められます。
ライトナーボックスの準備
ライトナーの元々のシステム(1972年)は5段階でした。このガイドでは、Gabriel Wynerの『脳が認める外国語勉強法』(原題:Fluent Forever)で紹介されている7段階バージョンを使います。復習の間隔が64日まで広がるので、より長期的な記憶定着に向いています。
仕切りに名前をつけます:New(新規)、そしてレベル1からレベル7まで。この順番でボックスに入れて、「New」を一番手前に。

「New」セクションには、作ったばかりでまだ勉強していないカードを入れます。勉強を始める準備ができたら、まとめてレベル1に移動。ここからゲームスタート。
ゲームのルール
すべてのカードに同じルールが適用されます。例外なし。
スタート: 毎日、「New」セクションから15〜30枚のカードをレベル1に移します。無理しないこと。量より継続が大事で、2週間で燃え尽きるスプリントじゃなくて、何ヶ月も続けられる習慣にしたいから。
テスト: カードを手に取って、自分に聞きます:「裏に何が書いてあるか覚えてる?」意味、発音、スペル——すべてです。「なんとなく見覚えがある」じゃダメ。記憶から引っ張り出せるかどうか。これが「復習」と「想起」の違いで、単語をすぐ忘れてしまう一番の原因でもあります。
正解なら: カードは1つ上のレベルへ。レベル1→レベル2、レベル4→レベル5。記憶が強くなっている証拠。
不正解なら: レベル1に戻ります。1つ下じゃなくて、一番最初まで。厳しく聞こえるかもしれませんが、これがポイント。レベル5にいるのに思い出せないカードは、レベル5にいるべきじゃない。ボックスは「実際に覚えていること」に正直です。
引退: レベル7を通過したカードは卒業。間隔が広がりながら7回のテストを生き残ったということは、長期記憶に入っていると考えていい。カードを引退させるか、年に1〜2回の確認用に取っておきます。

復習スケジュール
ここがライトナーボックスの「コンピュータプログラム」たるゆえんです。レベルごとに復習の頻度が決まっていて(間隔反復という学習法です)、パターンはだいたい倍々になりますが、覚える必要はありません。
やることは簡単:
『脳が認める外国語勉強法』の64日ゲームスケジュールをダウンロードして印刷する。ボックスのフタの裏に貼る。毎朝、今日が何日目か(Day 1、Day 2、Day 3…)を見て、スケジュール表に書いてあるレベルを復習する。
それだけ。スケジュールが全部やってくれます。
パターンが知りたい人へ:
| レベル | だいたいの頻度 |
|---|---|
| レベル1 | 毎日 |
| レベル2 | 2日ごと |
| レベル3 | 4日ごと |
| レベル4 | 8日ごと |
| レベル5 | 16日ごと |
| レベル6 | 32日ごと |
| レベル7 | 64日ごと |
実際のスケジュールは、64日のサイクルの中で復習を分散させて、毎日の負担を調整しています。自分で計算しようとせず、プリントしたスケジュールに従ってください。

続けるコツ
ボックスは、使い続けてこそ効果があります。2つのポイント。
既存の習慣にくっつける。 毎日同じ時間に、すでにやっていることの後に復習する——朝のコーヒーの後、通勤中、寝る前。システムが考えてくれるから、自分がやるべきことは「座ってカードを開く」だけ。習慣づけそのものが難しいなら、タイニーハビッツの使い方ガイドで、勉強のルーティンを無意識にできる方法を解説しています。
カードに絵を描く。 紙のカードは音声を再生できません。だから、発音や意味を定着させるために絵を描く。上手じゃなくていい——棒人間で十分。描く行為そのものが視覚的な記憶を作って、あとで思い出すときの手がかりになります。

今週やってみよう
完璧なボックスじゃなくても大丈夫。手元にある箱で仕切りを8枚作って、明日の朝、最初の15枚をレベル1に入れてみてください。あとはシステムが教えてくれます。